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第4回オオバナミズキンバイ除去大作戦

 12月21日に滋賀県守山市赤野井湾にてオオバナミズキンバイ除去大作戦が行われ、IVUSA学生57人を含む160人が参加しました。この活動はオオバナミズキンバイ除去プロジェクト主催で行われ、2013年10月に行われた1回目から数えて4回目となる除去活動です。

 オオバナミズキンバイは、2009年に滋賀県守山市赤野井湾で発見された当初は140平方メートルでしたが、2014年9月には9万2500平方メートルと約5年間で650倍に拡大しており、琵琶湖南部一帯で確認されています。2014年6月には環境省から特定外来生物に認定され、赤潮やブラックバスと並ぶ、琵琶湖の生態系を脅かす新たな問題となっており、行政、地域NPO、漁協、企業、学生が一体となってオオバナミズキンバイの根絶に向けて取り組んでいく必要があります。

 2014年9月末から滋賀県による建設重機を用いた大規模なオオバナミズキンバイ除去事業が始まり、守山市木浜内湖、赤野井湾の大群落などを中心に飛躍的に除去が進んでいます。一方で小群落や水深が浅い水辺 、ヨシ群落など建設重機で作業できない場所では、人の手が必要とされています。行政、関係機関、NPO、漁協の方々と、機械と人の手による除去の分担を協議しながら進めていく必要があり、今回の活動では、えり市付近、天神川、新守山川、ヨシ群落で除去作業する運びとなりました。

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協議の様子

 開会式では、宮本和宏守山市長と岩佐弘明滋賀県議会議員、滋賀県琵琶湖環境部の廣脇正機次長より以下のような言葉をいただきました。(一部抜粋)

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開会式

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宮本和宏守山市長の挨拶

宮本和宏守山市長
「皆さまのおかげさまで、この問題は滋賀県だけではなく、日本中に届いています。これまでご尽力いただいた地元、漁協、NPO、学生の皆様に感謝を申し上げます。オオバナミズキンバイが繁殖すると琵琶湖の在来魚が産卵できなくなるなど生態系に悪影響がでます。母なる湖を一緒に守りましょう」

岩佐弘明滋賀県議会議員
「県の事業では機械刈りで大きなところは取っていますが、ヨシの中など細かいところにも生息しており、来春から夏にかけて繁殖することが心配されます。中々取りづらいところのオオバナミズキンバイを取って、なんとか琵琶湖の環境をよくしたいと集まった皆さんと一緒に繁殖を抑えていきましょう」

滋賀県琵琶湖環境部 廣脇正機次長
「滋賀県はせっけん運動で水質改善では日本一の取組みをしてきました。オオバナミズキンバイが一番生息しているところが琵琶湖になってしまいましたが、これだけ沢山の方が、これだけ参加していただけるのも琵琶湖が一番で誇りに思っています。ぜひ今日の作業、次の作業に続き、オオバナミズキンバイが絶滅されるように頑張っていきましょう」

 このように各行政の取組みや根絶に向けての意気込み、そして激励の言葉をいただきました。

 午前中は一般参加者と共にえり市付近、天神川、新守山川にてオオバナミズキンバイの除去作業を行いました。
オオバナミズキンバイは陸地でも生育することができるため、ブルーシートを敷きながら除去を行いました。また僅かな茎からも繁殖するため、ちぎれた茎は網ですくいました。

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えり市付近での作業

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胴長靴を履いての作業

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天神川での作業

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新守山川での作業

 引き揚げられたオオバナミズキンバイは赤野井漁港に運ばれ、乾燥させるために広げました。

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漁港での作業

 午前の作業が終わり、えり市付近、天神川では目標としていた群落の除去が終わりました。

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作業前

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作業後

 お昼は温かいものを他の参加者と一緒に美味しくいただき、作業で冷えきった体を温めました。

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配膳風景

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みんなで美味しく食べています

 午後からは玉津小津漁協協同組合とIVUSAでヨシ群落での除去作業を行いました。

 胴長靴を履きヨシ群落内でオオバナミズキンバイを除去するチーム、船での運搬チーム、漁港でオオバナミズキンバイを広げるチームに分かれて作業を行いました。

 ヨシ群落ではオオバナミズキンバイがヨシの周りを埋め尽くしています。これによりヨシの芽吹きを抑えられヨシの成長を阻害し、また魚が産卵のため近づくことができないという問題が発生しています。ヨシ群落でも全員寒さに負けずに声を掛け合いながら元気よくオオバナミズキンバイの除去を行いました。

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ヨシ群落内での作業

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船上への引き揚げ

 実際にヨシ群落に入ってみると、オオバナミズキンバイの量はまだまだ多く、まだまだ人手が必要であると痛感しました。

 今回の作業では1日で600㎡のオオバナミズキンバイを除去することができ、引き揚げたオオバナミズキンバイは乾燥場所の赤野井漁港を埋め尽くしました。

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集合写真

 事前にオオバナミズキンバイによる悪影響について学んでいましたが、本当に魚の産卵場所が減っているのか疑問でした。しかし、漁師さんから魚が増えないとお聞きしたり、オオバナミズキンバイが魚の通り道が無いくらいヨシ群落を埋め尽くしたりしているのを実際に自分の目で見て、身をもってオオバナミズキンバイによる悪影響を体験し理解することが出来ました。
 これからも定期的にオオバナミズキンバイ除去活動を続けていきます。
 最後になりますが、今回お世話になった皆さんありがとうございました。今後ともご協力よろしくお願いいたします。(京都産業大学1年 小杉 奏)

【プロジェクトリーダーより】
 9月末より県の機械駆除事業も始まり、問題解決に向けてますます進展を見せるオオバナミズキンバイの問題。体制は構築されつつありますが、広範囲に分布して いるオオバナミズキンバイに対して、活動範囲の拡大と継続性が今後も重要となってきます。繁殖力のあるオオバナミズキンバイに対しては定期的な活動が必要です。

 IVUSAでは守山市の赤野井湾や大津市の瀬田川などでは継続事業として活動していますが、オオバナミズキンバイは南湖全域に分布しており、まだまだ活動範囲も活動数も足りないのが現状です。私たちIVUSAは、この2つの問題に対して多くの学生と学生らしさを持って、地域の方と協力しながら挑戦していきたいと思います。今回の活動ではこの課題に密に関わっていく主体性をもった学生が増えることを目的として「人に注目。地域に注目。」というコンセプトで活動しました。学生一人一人が自ら課題を発見して実践・行動することで、今後もこのオオバナミズキンバイの問題の解決に取り組んでいきます。

今回活動に関わってくださった方々ありがとうございました。今後ともよろしくお願い致します。 (立命館大学2年 花岡 駿平)

【活動参加団体】
主催オオバナミズキンバイ除去プロジェクト
滋賀県、守山市、認定NPO法人びわこ穣の郷(事務局)、玉津小津漁協協同組合、新守山川を美しくする会、滋賀カウンセラー協会、玉津小津学区、近江ウェットランド研究会
※この活動は平和堂財団環境保全活動助成事業「夏原グラント」の助成を受けて実施しています。